目 次 │ ソバ、そば、蕎麦のアラカルト

           第23回 そばを活用した地域の振興(=地域の魅力増進、活性化)に関する方策
           第22回 そばがテーマとなった文芸
           第21回 「そばを打つ」
           第20回 「粉を碾(ひ)く」
           第19回 「そばの栽培」
           第18回 「郷土の特色あるそば⑤ ― 常陸秋そば」
           第17回 「郷土の特色あるそば④ ― 在来種、新品種」
           第16回 「郷土の特色あるそば③ ― そば料理」
           第15回 「郷土の特色あるそば② ― そばの材料、汁、器、食べ方」
           第14回 「郷土の特色あるそば① ー そばの打ち方」
           第13回 「江戸から続く老舗の蕎麦屋の系譜―砂場、更科、藪」
           第12回 「知的好奇心、遊び心は創作につながる」― 江戸での変わり蕎麦、種物の誕生
           第11回 「縁起を担いで蕎麦を食べる」
           第10回 「蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした」 ― その2 出汁と蕎麦汁
           第 9回 「蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした」 ― その1 初期の蕎麦汁と返し
           第 8回 「江戸で蕎麦はなぜ細くなったのか? ― その背景を探る」
           第 7回 「二八そばの由来は?―二八そば誕生の背景を探る」
           第 6回 「黄門様とそば―そば好きの大名達の遺産を探る」
           第 5回 「火事と喧嘩は江戸の華―大火が蕎麦の発展を後押しした?」

           第 4回 「江戸で蕎麦が大発展したのはなぜか?―その背景を探る」
           第 3回 蕎麦切りは、いつどこで生まれたのか?
           第 2回 そばの栽培は、いつどこで始まり、日本へはいつ伝来したのか?

           第 1回 「けんちん」とは何なのか?その由来は?

 

第23回 そばを活用した地域の振興(=地域の魅力増進、活性化)に関する方策

 「そばを活用した地域の振興(=地域の魅力増進、活性化)に関する方策」

 そばは、人間の生活と様々な形で関わりがあり、昭和50年代頃から始まったそばブームを背景に、地域活性化の有力な資源としても注目されてきています。こうした背景の下、平成4年に富山県の利賀村で開催された「 世界そば博覧会 in 利賀 」を契機に、関係した自治体が中心となり「 全国麺類文化地域間交流推進協議会 」が設立され、これが「(一社)全麺協」へと発展してきています。

 その全麺協では、定款の中で、「そばを通しての人間形成を目指し、心豊かで潤いのある生活の実現を図るとともに、地域活性化に取り組む各種団体と連携し、相互扶助と協働の精神に基づいたそばによる地域振興を進めることを目的とする。」としていて、そばによる地域振興を大きな柱に据えています。

 そこで今回は、「そばを活用した地域の振興(=地域の魅力増進、活性化)に関する方策 」について、取り上げてみます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第23回 そばを活用した地域の魅力増進、活性化 2023.11.28

 

第22回 そばがテーマとなった文芸

 「そばがテーマとなった文芸」

 ソバは、中国の雲南地方をルーツとして、世界各地へ伝播しています。我が国へは稲よりもはるかに早く、1万年以上前の縄文時代にもたらされ、様々な形で食べられてきた極めて長い歴史があります。

 現在見られるような蕎麦切りは、饂飩より遅いものの500年ほど前の室町時代には誕生していると見られます。江戸時代になり、太平の世の到来と参勤交代の実施により、各地との人と産物の交流が活発となり、これらに触発されて経済が発展し、多様な文化が生まれ、盛衰を重ねていくこととなりました。蕎麦も、その中の一つであり、江戸時代に大発展し、ほぼ現在のような蕎麦の出現を見ています。

 そばは人間の生活と様々な形で関わりがあり、そうした背景の下に、俳諧やそばの口上に取り上げられ、その後小説や映画の中にも出て来るなど、そばが登場する場面は、枚挙に暇がありません。そこで、今回は、「そばがテーマとなった文芸」について、俳諧を中心にその一部を取り上げてみます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第22回 そばの文芸 2023.10.13

 

第21回 そばを打つ

  「そばを打つ」

 ソバは、中国の雲南地方をルーツとして、世界各地へ伝播しています。我が国へは稲よりもはるかに早く、1万年以上前の縄文時代にもたらされ、様々な形で食べられてきた極めて長い歴史があります。蕎麦切りは、饂飩よりは遅いものの500年ほど前の室町時代には誕生していて、江戸時代に大発展し、ほぼ現在のような蕎麦が出現しています。

 前回は、収穫した玄そばの「製粉」について取り上げたので、今回は皆様お待ちかねの「そば打ち」について取り上げてみます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第21回  そばを打つ 2023.8.22

 

第20回 粉を碾(ひ)く

 「粉を碾(ひ)く」

 ソバは、中国の雲南地方をルーツとして、世界各地へ伝播しています。我が国へは稲よりもはるかに早く、1万年以上前の縄文時代にもたらされ、様々な形で食べられてきた極めて長い歴史があります。ソバは、それぞれの地域の気候風土の中で自然に交配したり、淘汰されたり、人為的な選別を繰り返されたりして独自の進化を遂げていて、その結果、各地に固有の品種(在来種)が誕生しています。 

 更に、近年、国や県、民間企業によるそばの品種改良が行われるようになり、新たな品種も誕生してきています。前回までは、そばの在来種や新たに作出された品種、そばの栽培について見てきたので、今回は、収穫した玄そばからどのようにして「そば粉」を手に入れるのか、そばの「製粉」について取り上げてみます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第20回 粉を碾(ひ)く 2023.7.18

 

第19回 そばの栽培

 「そばの栽培」

 そばは、中国の雲南地方をルーツとして、世界各地へ伝播し、我が国へは1万年以上前の縄文時代にもたらされ、様々な形で食べられてきた歴史があります。ソバは、長い時間をかけてそれぞれの地域の気候風土の中で淘汰されたり、人為的な選別を繰り返されたりして、独自の進化を遂げていて、各地に固有の品種(在来種)が誕生しています。更に、近年、国や県、民間企業によるそばの品種改良が行われ、新たな品種も誕生してきています。

 前回までは、そばの在来種や新たに作出された品種について見てきたので、今回は、そばの栽培について取り上げてみます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第19回 そばを栽培する 2023.6.19

 

第18回 郷土の特色あるそば⑤ ― 常陸秋そば

 「郷土の特色あるそば⑤ ― 常陸秋そば」

 そばは、中国の雲南地方をルーツとして、世界各地へ伝播し、我が国へは1万年以上前の縄文時代にもたらされている。

 ソバは、長い時間をかけてそれぞれの地域の気候風土の中で淘汰されたり、人為的な選別を繰り返されたりして、独自の進化を遂げていて、固有の品種が誕生している。それらが今も各地に残されている在来種である。

 前回は各地の在来種や新たに作出された品種について見てきたので、今回は、玄そばの最高峰と賞されている「常陸秋そば」について見てみよう。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第18回 地域の特色ある蕎麦 ― 常陸秋そば 2023.5.17

 

第17回 郷土の特色あるそば④ ― 各地の在来種、新品種

 「郷土の特色あるそば④ ― 各地の在来種、新品種」

 そばは、中国の雲南地方をルーツとして、世界各地へ伝播し、我が国へは、1万年以上前の縄文時代にもたらされている。

 ソバは、長い年月をかけてそれぞれの地域の気候風土の中で淘汰されたり、人為的な選別を繰り返されたりして、作物として独自の進化を遂げ、固有の品種が誕生している。今も各地に残されている在来種がそれである。

 一方、国や県等の試験研究機関によってそばの品種改良への各種取り組みもなされ、新品種の誕生を見ている。しかし、主食である稲の品種等の研究開発への資金や人的投資に比べれば遥かに少ないというのが現実である。その中で、近年様々な有用植物の遺伝子の解析が急速に進展しつつあり、ソバの世界でもゲノム編集により新たなソバの品種改良が試みられている。

 今回は、各地の在来種や新たな品種について見てみよう。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第17回 各地の特色あるソバ④ ー 在来種、新品種 2023.4.5

 

第16回 郷土の特色あるそば③ ― そば料理

 「郷土の特色あるそば③ ― そば料理」

 そばは、1万年以上前の縄文時代にいくつかのルートから我が国にもたらされ、以来人の移動や交流に伴い各地で栽培されるようになり、様々な形で淘汰され、それぞれの地域の気候風土に合った形の在来種が誕生したり、新たな品種改良もなされたりして、現在に至っています。

 そばの利活用の面を見ると、各地の社会経済文化自然等の環境が反映された結果、そば粉やつなぎ、打ち方、使用する道具類、食べ方、器、食べさせ方、そばの料理、そばに関する芸能等地域によって様々な特色が見られます。

 前回は各地の伝統ある蕎麦や蕎麦の食べ方等で特色のあるものを見てきたので、今回は、郷土のそば料理について紹介します。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第16回 各地の特色ある蕎麦③ ― そば料理 2023.3.9

 

第15回 郷土の特色あるそば② ― そばの材料、汁、器、食べ方

 「郷土の特色あるそば② ― そばの材料、汁、器、食べ方」 

 ソバは、1万年以上前の縄文時代に我が国にもたらされ、以来各地で栽培され、それぞれの地域の気候風土に合った形の在来種が誕生し、新たな品種改良もなされ、現在に至っています。

 そばの利活用の面を見ると、各地の社会経済文化自然等の環境が反映され、そば粉やつなぎ、打ち方、使用する道具類、食べ方、器、食べさせ方、そばの料理、そばに関する芸能等地域によって様々な特色が見られます。

 前回は各地に残されているそばのつなぎや伝統的な打ち方を見てきたので、今回は、郷土の伝統ある蕎麦や蕎麦の食べ方等で特色のあるものについて取り上げてみます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第15回 各地の特色ある蕎麦② ― そばの食べ方 2023.2.21

 

第14回 郷土の特色あるそば① ー そばの打ち方

 「郷土の特色あるそば① ー そばの打ち方」

 ソバは、1万年以上前の縄文時代に我が国にもたらされ、以来各地で栽培され、それぞれの地域の気候風土や人為的な淘汰を経て、適応したものが在来種という形で残り、現在に至っている。

 そばの利活用の面を見ると、各地の社会経済文化等の環境を反映して、そばの打ち方やつなぎ、使用する道具類、食べ方、そばの料理、そばに関する芸能等地域によって様々な特色が見られる。しかし、一方では、時の経過とともに社会経済環境が大きく変化する中で、これらの貴重なそば文化が消滅の危機に瀕しているという現実もある。

 こうした多様なそば文化を保存、継承していくことは、そばの幅広さと奥の深さを確保し、更なる発展を目指していく上で極めて重要なことであると言える。このような考え方に立ってそばへの関わりを強めていくことが、そばに様々な形で取り組んでいる我々にとって大きな責務であるとも言える。

 そこで、そばを広く、深く知っていくために、各地に残されている伝統的なそばの打ち方、食べ方、在来種等を順次紹介することとしたい。

 今回は、郷土の伝統あるそばの打ち方を見てみよう。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第14回 各地の特色ある蕎麦① ー そばの打ち方 2023.2.6

 

第13回 「江戸から続く老舗の蕎麦屋の系譜―砂場、更科、藪」

 「江戸から続く老舗の蕎麦屋の系譜―砂場、更科、藪」

 蕎麦は、江戸時代に大発展し、ほぼ現在のような形が出来上がっている。その中で、蕎麦店は数えきれないほど開業し、同じような数が廃業するなど、蕎麦の世界でも当然にかなりの栄枯盛衰が見られた。しかし、今も連綿と暖簾を守り、高い評価を得ている老舗の蕎麦店がいくつかある。時代の変遷とともに、社会経済環境には様々な変化が生じるのが常であり、その荒波を乗り越え、命脈を保っていくことは並大抵のことではない。蕎麦の世界においても同様であり、暖簾を長く守る(店の評価を高め、維持していく)ために、様々な工夫と人知れぬ努力の積み重ねがあったことは想像に難くない。

 今回は、江戸の蕎麦屋の三大系譜と言われる砂場、更科、藪に焦点を当て、どのように誕生して、どのような評価を得て今日に至っているのかを振り返ってみよう。

幹事長兼事務局長 野 上 公 雄

第13回 江戸の老舗の蕎麦屋の系譜―砂場、更科、藪 2023.1.19

 

第12回 「知的好奇心、遊び心は創作につながる」

                 ― 江戸での変わり蕎麦、種物の誕生

 「知的好奇心、遊び心は創作につながる」

 新しい物を創り出すという行為は、人類の誕生とともに始まっている。その原動力の根底にあるのは、生き延びるために絶対的に必要となる対応であることは言うまでもない。更に、そうして形成された基盤の上に、知的好奇心や遊び心がきっかけとなって様々な創造力が加味され、多様な新しい有形無形のものの誕生を見ているのではないだろうか。

 その中でも、意外に大きな役割を果たしているのが、ある程度の下地ができた後の余裕から生まれる知的好奇心や遊び心と言えるように思う。

 ゼロの状態から新しい物を創り出すことは、結構大変であり、当然に天才的な発想やひらめきが必要となる。しかし、あることを考えに考え抜いた者が偶然生じた事象を目にして、その意味することに気付き、それをヒントに新しいものを創り出すということもかなりの頻度で起こっている。

 一方、いつの世でも好奇心や遊び心の旺盛な人は大勢いるもので、一旦何かが生まれてしまえば、連想ゲームのような発想で、その生まれたものの短所を改良したり、何かを付加して新たなものを創り出したり、同様の発想を関連する分野に広げてみたりという行為が展開される機会も増え、新たなものが続々と誕生していくこととなる。

 かつてテレビの番組で連想ゲームというのが放送されていたが、ブレインストーミングとか連想ゲームという思考を次々に発展させていく手法は、様々な分野に応用ができ、解決策を導き出す有効な手法の一つでもある。

 蕎麦の世界でも、この手法の意識は無かったのかもしれないが、同様の発想で新たな蕎麦の誕生を見ている。江戸時代、蕎麦が広く大衆に支持されるようになった時期に出て来た「変わり蕎麦」や「種物」がそれである。

 今回は、江戸時代において、「変わり蕎麦」や「種物」がどのようにして誕生したのか、その代表的なものと背景等を探っていきます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第12回 「知的好奇心、遊び心は創作につながる ― 江戸での変わり蕎麦、種物の誕生」 2022.12.27

 

第11回 「縁起を担いで蕎麦を食べる」

 「縁起を担いで蕎麦を食べる」

 皆さんは、何らかの行動をする際に縁起を担ぐことはありませんか? 縁起を担ぐことに効果があるかどうかは、科学的に証明されているわけではありませんが、少なくとも縁起を担いで行動する人にとっては、自分の縁起を担いだ決断が正しいと思い込めることにより、自らの精神的な安定感を確保するという面での効果はありそうです。

 昔の人達は、悪い結果を避け、良い結果につなげるために、神仏に祈ったり、占いをしたり、様々な縁起を担ぐ(験を担ぐ)というようにすることで、日常の各種行動の適否を判断していたようです。

 蕎麦に関しても同様で、神社やお寺の催事、日常の各種行動等の際に様々な縁起を担いで蕎麦が用いられていて、中には年中行事として定着したり、年越し蕎麦のように広く大衆に支持されて現代にまで続いているものもあります。

 今回は、蕎麦に関して縁起を担いだ行動がどのように行われてきたのか、その事例と意味するもの、背景等を紹介します。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第11回  縁起を担いで蕎麦を食べる 2022.12.15

 

第10回 「蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした」

              ― その2 出汁と蕎麦汁

 「蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした」― その2 出汁と蕎麦汁

       「蕎麦汁は、蕎麦を美味しく食べるために欠かせない名脇役です。」

 江戸では、蕎麦を美味しく味わうために、返しや出汁に工夫を凝らし、美味しい蕎麦汁を作り出すための様々な工夫が重ねられました。

 前回は、蕎麦汁の原材料とその作り方に焦点を当てて、初期の蕎麦汁がどのようなものだったのか、返しはどのように作られたのかを取り上げました。

 今回は、出汁がどのようにして作られたのか、その材料を調べ、完成品としての蕎麦汁について紹介します。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第10回 蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした ― その2 出汁と蕎麦汁 2022.11.29

 

第9回 「蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした」

              ― その1 初期の蕎麦汁と返し

 「蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした」― その1 初期の蕎麦汁と返し

「蕎麦汁は、蕎麦を美味しく食べるために欠かせない名脇役です。」

 蕎麦そのものの風味を確かめるために、蕎麦汁を使わずに冷たい水に浸した状態の蕎麦を食べる水蕎麦というものもあります。しかし、一般的には、蕎麦を相性の良い蕎麦汁に適度に浸けて味わえば、その風味も増すと言えるのではないでしょうか。

 江戸でも、蕎麦を美味しく味わうために、返しや出汁に工夫を凝らし、美味しい蕎麦汁を作り出すための様々な工夫が重ねられました。そこで、江戸の状況を振り返り、蕎麦汁の原材料とその作り方に焦点を当てて、2回にわたり紹介します。

 今回は、初期の蕎麦汁がどのようなものだったのかを、更に、返しはどのように作られたのかを取り上げます。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第9回 蕎麦汁の進化が江戸の蕎麦を美味しくした ― その1 初期の蕎麦汁と返し 2022.11.15

 

 

第8回 「江戸で蕎麦はなぜ細くなったのか?―その背景を探る」

 「江戸で蕎麦はなぜ細くなったのか?―その背景を探る」

 江戸時代の初期には饂飩が蕎麦より優勢であったが、中期以降は蕎麦が饂飩を凌駕するようになり、そば打ちの技術も格段に向上し、細めの蕎麦が流行っていった。また、3~4回掬うと無くなってしまうほど、蕎麦の盛り方もかなり少なかったようです。

 蕎麦が江戸っ子を魅了したのはその細さ故とも言われています。細い蕎麦を素早く手繰り、のど越しの良さを楽しむ、その早さ、手軽さ、気風の良さが江戸っ子の気質=「粋」に合致した結果と見ることもできます。

 粋という観念が一般化したことや自称江戸っ子が増えたことなどにより、細い蕎麦の流行に拍車がかかり、これに応えて江戸の蕎麦の技術水準は格段に向上していったとも言えます。

 しかし、江戸の蕎麦が細くなった背景には、別の根源的に重要な事情があったようです。あなたは、何だとおもいますか? 今回は、江戸の蕎麦が細くなった裏事情を探ってみることにします。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第8回 江戸で蕎麦はなぜ細くなったのか?―その背景を探る 2022.10.31

 

第7回 「二八そばの由来は?―二八そば誕生の背景を探る」

 「二八そばの由来は?―二八そば誕生の背景を探る」

 現在我々が食べている蕎麦は、特にこだわらない限り「二八そば」だと言えるでしょう。しかし、そもそも二八そばというのはどういう蕎麦のことを言うのか、その定義は、語源の由来は何かと問われて、あなたはきちんと答えられますか?

 実は、二八そばの由来については、江戸時代に有力な説が提起されているものの未だ確定的な説は得られていないというのが実態なのです。もしかして、今後あなたが提案した新たな説が、長年の懸案であった疑問に明確な回答を与えるかもしれません。

 是非、各種文献や伝承等を探り、想像力を駆使して、自説を展開してみてはいかがでしょうか。好奇心旺盛なそば好きの皆さんのチャレンジ精神に期待し、二八そばの由来に関する新説の登場をお待ちしております。

 そのような期待を込め、いばらき蕎麦の会のホームページをご覧の皆様へ、参考となる関連情報の提供ということで、今回は二八そばという名称がどういう理由で付けられたのか、二八そばはどういう意味を含んでいるのか、その由来の説を紹介し、背景を探ってみることとします。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第7回 二八そばの由来は?―二八そば誕生の背景を探る 2022.10.12

 

第6回 「黄門様とそば―そば好きの大名達の遺産を探る」

 「黄門様とそば―そば好きの大名達の遺産を探る」

 「絶対的な権力者の好みは、文化を創る。」これは、世界各地の歴史を見てみると、否定できない事実のようです。文化と言っても様々ありますが、衣、食、住、演劇、音楽、絵画、文学等の様々な分野で、時の権力者が好んだものが重要視され、そこに力が集中することにより、結果として思わぬ発展を遂げています。

 独裁的な権力者の取り巻き連中が権力者の意向に過度に忖度するのは、洋の東西を問わずいつの時代でも変わらぬもので、それが良い方向に向かえば、文化の発展にも繋がっていくと言えます。

 そばについても同様なことが言えるようです。江戸時代、各地のそば好きの大名達は、そばの栽培から特色ある蕎麦の誕生等に大きな影響を与えました。現在でもそれぞれの地域で根強い支持を得ている名物蕎麦の多くは、彼らそば好き大名達の遺産と言っても過言では無いと思います。そこで今回は、そば好きの大名達の行動と各地に残したそば文化について探ってみましょう。

幹事長兼事務局長 野上公雄 

第6回 黄門様とそば―そば好きの大名達の遺産を探る 2022.9.27

 

第5回 「火事と喧嘩は江戸の華―大火が蕎麦の発展を後押しした?」

 「火事と喧嘩は江戸の華―大火が蕎麦の発展を後押しした?」

 「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉がありますが、江戸は火災都市と言われるほど大火が頻繁に発生していました。その大火が蕎麦の発展を後押ししたと言ったら皆様は、本気にしますか? 「風が吹けば桶屋が儲かる」と同じ論法で、大火が蕎麦を発展させたことを説明できますが、実際はこれよりも信憑性が高く、大火を契機に蕎麦は様々な形で発展を遂げてきたと言うことができるのです。

 今回は、江戸の大火と消防体制の変遷、大火を契機として蕎麦がどのように発展してきたのか、その背景を調べてみましょう。

幹事長兼事務局長 野上公雄

第5回 火事と喧嘩は江戸の華―大火が蕎麦の発展を後押しした? 2022.9.7

 

第4回 「江戸で蕎麦が大発展したのはなぜか?―その背景を探る」

 「江戸で蕎麦が大発展したのはなぜか?―その背景を探る」 

 茶道や華道、能、蕎麦切り等我が国の伝統文化的なものの萌芽は、室町時代にあるものが多いが、江戸時代になって太平の世が訪れ、これらの発展と地方への伝播に拍車がかかったように見える。

 蕎麦切りは、江戸時代に技術的にも内容的にも大発展を遂げ、ほぼ現在のような姿になっている。その背景や要因としては、様々なことが想定されるが、これらは相互に影響し合っていると見られる。蕎麦が大発展を遂げた時代背景や主な要因について、複数回にわたって探ってみよう。

幹事長 野上公雄

第4回 江戸で蕎麦が大発展したのはなぜか?―その背景を探る 2022.8.25

 

第3回 蕎麦切りは、いつどこで生まれたのか?

 「蕎麦切りは、いつどこで生まれたのか?」

 全麵協では「そば道」という概念を提唱し、皆でそば道を歩むことを勧めていますが、その基本は、「自分づくり」、「仲間づくり」、「地域づくり」の3本の柱から成っていて、その相互作用により相乗効果が発生することを期待しているわけです。

 そばを様々な角度から幅広く学んでいく「学び」の過程において、他の人と交わり、次第に人と人との輪が広く大きくなり、自らを高めることに結び付き、社会貢献活動にも繋がっていき、それが地域づくりという全麵協の目的達成に役立つこととなります。

 そばに関心を持ちましたら、そば打ちという一部分だけに留まらず、そばを幅広く深く学ぶ姿勢を保ち、そばを楽しみながらそばへの取り組みを継続する情熱を持ち続けていくことが大切で、これが成果を大きく享受できることに繋がります。

 そのような観点から、皆様がそばに取り組んでいく中で、疑問に思うことや興味を持つであろう各種事項を取り上げ、適切な情報を随時提供していきますのでお楽しみください。

  第3回は、「蕎麦切りは、いつ、どこで生まれたのか?」です。これは、そば打ちに取組む人、蕎麦好きな人が最初に抱く基本的な疑問だと思います。これまでにも、様々な説が提唱されてきています。しかし幸か不幸か、この疑問に答える決定的な証拠や説は、今のところ見つかっていません。そこで、今回は、小生の考えも含めいくつかの説を紹介しますので、これを読まれた皆様が自らの研究や推理により、より正確な説を見つけ出すことを期待しております。なお、興味ある説や埋もれていた情報を発見したような場合には、ご連絡いただければ幸いです。

いばらき蕎麦の会  幹事長兼事務局長 野上公雄

第3回 蕎麦切りはいつ、どこで生まれたのか 2022.8.4

 

第2回 そばの栽培は、いつどこで始まり、日本へはいつ伝来したのか?

 「そばの栽培は、いつどこで始まり、日本へはいつ伝来したのか?」

 そばを打つ際の原材料であるそばは、いつ、どこで生まれ、日本にはいつ頃伝来し、どのような形で食べられていたのだろうか? これは、そば打ちに取組む人、蕎麦好きな人が最初に抱く基本的な疑問だと思います。同様に、饂飩やパンの原材料である小麦は、日本人の主食である米は、どうなのであろうか? 調べてみたいと思いませんか!

 しかし、これらの主要穀物の栽培が始まり、各地に伝播していったのは、まだ文字の無かった遥か昔のことであり、証拠は発掘調査によらなければなりません。近年では、調査手法の発展もあって正確な年代の特定ができるようになり、世界各地の様々な遺跡の発掘から、かなり昔にさかのぼる証拠が続々と発見されてきています。新たな遺跡の発掘は、これらの年代を更に遡る可能性を秘めています。

    先ずは、原点に立ち返ってみようということで、今回はソバとムギ、イネのルーツを探ってみることとします。

いばらき蕎麦の会 幹事長兼事務局長 野上公雄

第2回 そばの栽培はいつ、どこで始まり、日本へ伝播したのか 2022.7.25

 

第1回 「けんちん」とは何なのか?その由来は?

 「けんちん」とは何なのか?その由来は?

 私達は、生まれた時のゼロから出発し、様々なことを見たり、聞いたり、学んだりしながら自らを高めていきます。 長い人生の中で、知識を増やし、蓄え、活用していくことには、大きな効果があり、人生を豊かにしてくれるとも言えます。 これは、そばの世界でも同じです。

 そこで、そばに取り組んでいる皆様のために、そばを広く、深く学び、実践していく上で参考となり、考えるヒントとなるような事項を取り上げ、随時紹介していくこととします。

 読まれた感想なり、質問、意見、情報等があれば、遠慮なくお寄せ下さい。 質問等にお答えし、掲載内容を充実させていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 第1回は、「秘密のケンミンショー」でも放映された「けんちん」について紹介します。

いばらき蕎麦の会  幹事長兼事務局長 野上公雄

第1回  「けんちん」とは何なのか?その由来は? 2022.6.14